トップページウィーンの建築ガソメーター

2001/09/03- 2021/07/17更新

ガソメーター/Gasometer

関連リンク:
Gasometer(独/英)
ガソメーター写真(日)

100年前のガスタンクがショッピングセンター/アパート/オフィスに変身しました。ウィーン歴史的記念建造物の外観そのままに、有名な建築家達が手掛けたこのプロジェクトに世界中が注目してます。

オープニングは2001年8月31日。全70店舗のショッピングアーケード、映画館、ビリヤードプール、レストラン、コンサートホールなどの娯楽施設、その他集合住宅、貸事務所、学生寮が一体になった、いわば地下鉄の総合ビルのようなものです。

ガソメーターウィーン中心とと空港を高速道路で移動すると、ドナウ運河沿いに一直線に並んだ4基の大きな円筒形の建築物が見えるのが、ガソメーターです。4基のガスタンクそれぞれの高さが約73メートル、直径が約65メートルの規模で、煉瓦むき出し、窓付きですから一般的なガスタンクのイメージとはかけ離れてます。

4基のガソメーターは3階に設置されたブリッジで繋げられ、外に出ずに隣のガソメーターへ移動できるようにされ、上部は集合住宅です。娯楽施設は隣接してオープンしたエンターテイメントセンター「ガソメーターE」内に集められています。

ガソメーターへの移動方法

公共機関:地下鉄U3をGasometer 下車。
車で移動:高速A23 Suedost-Tangente から St.Marx

100年前のガソメーター

元々このガスタンクはウィンザー様式と言うそうです(1990年頃に三雲ひろ太さんがサーチ会社を通して調べてくれました)。当時の工場群によく使われた、煉瓦むき出しの建物で、採光のための多くの窓があります。

ガスタンクですから窓は不必要ながら、当時の考えは、ガスタンクといえども建物であり、建物である限りは窓があるべきだとの考えから、ガスタンクに窓を作ったそうです。

だいたい100年前、1899年に完成しウィーンに都市ガスを供給するガスタンクとして、1986年まで使われてました。ガスタンクの機能停止後は歴史的記念建造物として維持され、ときにはニューイヤーコンサートのバレーのシーンや、ジェームズボンド007シリーズの映画15作「007 リビング・デイライツ」の撮影に使われたこともありました。

ガスタンクの外壁そのままに、地下鉄の駅ビルとして使うべく、デザインコンペで選ばれた世界レベルの建築美術家達 が、それぞれ4基のガソメーターを手がけ、独創的な発想で利用可能な建築物として実現したことから、世界の注目を浴びるようになりました。

ガソメーターA:Jean Nouvel(独)
ガソメーターB:建築家チーム Coop Himmelb(l)au(独) (Wolf D.Prix)
ガソメーターC:Manfred Wehdorm
ガソメーターD:Wilhelm Holzbauer

その他情報お待ちしてます。

2001/03/07 高崎守弘