トップページ > 食事とカフェー > ウィンナーシュニッツェル
ウィンナーシュニッツェル(Wiener Schnitzel)
Wiener Schnitzel (Wr.Schnitzel) ウィーンで一番有名な名物料理。子牛の肉(または豚肉)の薄切りを平らに叩いてのばし、塩・コショウしたものに、小麦粉・といた卵・パン粉を付け食用油またはラードで揚げた料理。ポテト・サラダ等と共に食べることが多い。食べるときは既に塩・コショウの味付けがされているため、レモンを搾るだけで、ソースは不必要。別名「ウィーンの草鞋」とも言われる。
ウィンナーシュニッツェルの歴史
文献からの決定的な歴史の解明はされていない。
ウィンナーシュニッツェルは、元はビザンチンのユダヤ人料理だったものが石工職人によってスペインに伝わり、それがイタリアを経てウィーンに伝わったと考えられている。
一般に良く知られる説は、1848年の3月革命時、ラデツキー将軍が当時オーストリア帝国領だったミラノの暴動を鎮圧に行き、そこで知ったミラノ風コテレット [ costoletta alle milanese ] を翌年にウィーンの宮廷に持ち込んだという説(日本語ウィキペディアでは1857???日本語文献は間違いが多いので注意、、、)。
しかし、コテレットとはチーズの肉はさみカツレツであり、ウィンナーシュニッツェルとは、正確には別物である。確認されているウィンナーシュニッツェルの最初の記録は、1831年 [ Magdalena D.Rettig ] の [ Die Haus-Koechin ] に 「添え物料理または軽食(Aushilfsspeise):子牛肉の薄切り揚げ」 という料理。これには宮廷料理ではなく家庭料理 [ Haus-Koechin ] となっており、必ずしもパン粉を使う必要性は無く、材料も鳥であったりした。また当時流行した 「料理の金メッキ」 という高価な調理法以外に、アラブ人(ムーア人)が既にしていたような子牛の足や耳のフライでも差し支えなかったらしい。
ウィーンに残るアラブ文化を考えると、スペイン乗馬学校のリピツァーナー馬種のみならず、ウィーンの名物料理ウィンナーシュニッツェルについても、ハプスブルク支配以前に 「スペインに入り込んだアラブ文化」 との関連が考えられる。
高崎守弘