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1998/01/19- 2021/07/17更新

シュタインホーフ教会/Kirche am Steinhof

関連リンク:
OTTO WAGNER KIRCHE am STEINHOF(独)
アム・シュタインホフ教会(日)
アム・シュタインホフ教会の地図(日)

このオットーワーグナー教会は、シュタインホーフ教会/Kirche am Steinhof の名で世界中に知られてますが、実はこの名は俗名で、正式名は、この教会がバーベンベルク家オーストリア領主6代目のレオポルドⅢ世に捧げられたことから、聖レオポルド/Zum Hl.Leopold と呼びます。同様に、教会ではなく病院内に置かれた礼拝堂です。

敬虔なカトリック信者だったレオポルドⅢ世は、結婚したアグネスの連れ子も含めて20人以上の子供を持ちました。この子供達をヨーロッパ中に配し、戦乱が続くヨーロッパ暗黒の時代、中世時代に、結婚政策による数十年間のヨーロッパ平和を実現したことが知られてます。

ルネサンス時代にはその功績から聖人として聖別され、それまでウィーンを中心とする下部オーストリア地方の守護聖人だった、聖セヴェリンに替わり、ウィーンを含む下部オーストリア地方の守護聖人とされました。ヨーロッパでよく聞く守護聖人とは、その土地を守る聖人のことですから、日本での氏神様のようなものと理解できます。

因みに、聖セヴェリンは、古代ローマ帝国時代にこのあたりのキリスト教化に功績のあった聖人で、彼が葬られたところを今でも「聖なる地」ハイリゲンシュタットと呼んでます。ベートーベンの遺書の家へ行くときに、ハイリゲンシュタットの地区教会内部へ入れば、セヴェリンの聖遺物(指の骨)、お墓への降り口や発掘調査の写真など詳細展示(独)が見られます。

シュタインホフ教会のフロント上方には、下部オーストリアとウィーンに因むこの2人の聖人の座像が置かれてます。

リンク通り[48A]バス乗り場。8の数字はバスが来るまで8分の意 精神病院の正門 オットーワーグナー教会外観 アム・シュタインホフ教会の祭壇 聖レオポルド教会内部、西のステンドグラス 教会天井 オットーワーグナー教会内部の手洗い 聖レオポルド教会、東のステンドグラス オットーワーグナー教会の正面外観

シュタインホフ教会は、ウィーンの森の斜面に広がる精神病院敷地内にあります。道路に面している精神病院の門から病院敷地内へ入り、正面左から真っ直ぐ斜面を登る道を5分程度上れば見えてきます。

なかなか気が付きませんが、シェーンブルン宮殿内部の観光が終わり、売店を抜け階段を降りる直前に、階段踊り場の窓から外を見るとウィーンの森の中腹にこのシュタインホーフ教会が見えます。これが、中央墓地の教会のモデル、そうでなければ、中央墓地の教会をデザインした建築美術家の先生・オットーワーグナーの作品です。

外観は、平面と直線からなる大理石の白い壁、黄金色に輝く半球状の屋根が美しく、内部は、病院の礼拝堂らしく、清潔感の漂う白い壁に囲まれた明るく広々とした空間が実現されてます。

旧市街地にあるオットーワーグナーの郵便貯金会館ホールも、内部空間の広がりと、明るく輝く光の美しさを感じますが、この教会内部は同じ明るい光でも、光が空間に満ちる慶びと美しさが感じられます。「美」「機能」「構造」の調和を追求したオットーワーグナーの作品中で最も美しい内部空間でしょう。

なお、内部の東西に大きく輝くステンドグラスは、オットーワーグナーの他の作品でも見られるコロマン・モーザー作。オットーワーグナー、クリムト、シーレと同年没の巨匠コロマン・モーザーの絵画はレオポルド美術館で見られます。

住所 Psychiatrisches Krankenhaus
Baumgartner Hoehe 1
A-1145,Wien
移動方法taxi を勧めます。帰路は精神病院入り口のタクシー乗り場。
Ring の Volkstheater 停留所から 路線バス [ 48A ] で、Psychiatrisches Krankenhaus(精神病院) 下車。精神病院の門を入り、坂を一番上まで登ったところ。
ガイドツアー通年!毎週土曜日、15:00 (独・英語)