2017/12/20-2021/07/17更新
ホイリゲに行こう!
ラインプレヒト、ワインボッティヒ、ハウアーマンデル、アルテスプレスハウスを知る人は少ない。数百年間のウィーン気質を伝え続けたグリンツィングのホイリゲ造り酒屋である。
- 関連項目:
- ウィーンのホイリゲ造り酒屋
- ビーダーマイヤー様式
ウィーンのホイリゲ造り酒屋
天気の良い夏の昼下がりにカーレンベルクを散歩してウィーンの森を下りてくると、多くの人々がホイリゲの庭先でワインを飲んでいた。夜になると多くの観光バスがグリンツィングに集まり、観光客がホイリゲに飲み込まれていった。ホイリゲに座っているとシュランメルン楽士が回ってきて、古き良き時代のウィーンを聞かせてくれた。
ほんの数十年の間に歴史は流れ、街角のケバブスタンドや、市電にはユーゴの外国人労働者に替わってイスラム圏の人が目に付くようになってきた。気付いたらラインプレヒト、ワインボッティヒ、ハウアーマンデル、アルテスプレスハウスの灯が消え、華やかだったグリンツィングの造り酒屋ホイリゲの「松の枝」も少なくなってきた。
観光ガイドブックにはクラシック音楽、王宮御用達のケーキ屋さんが華やかな写真と共に紹介されている。わざわざ市電の終点まで出なくても、観光名所は目白押し、でも、ホイリゲに行き気楽で楽しい雰囲気の中で「ウィーンわが夢の街」に触れた方が古き良き時代のウィーン庶民文化を楽しむことができると思う。
ウィーンからホイリゲの明かりが消えたときに、古き良き時代のウィーンが本当の過去になるのだろうと思う。今のウィーンにはまだウィーン文化が息づいている。ホイリゲに行こう!フォルクスオペラに行こう!
2017年師走高崎守弘