トップページウィーンの周辺ザルツカンマーグート

2000/10/17

ザルツカンマーグート/Salzkammergut(世界遺産)

サンクトヴォルフガンクハルシュタット

ザルツカンマーグートは、オーストリアの真ん中、ウィーンから西へ約300km、急行で3時間強のザルツブルク近郊に位置します。ザルツカンマーグートとは「ザルツ」の「カンマー」の「グート」の意で、「塩」の「役場」の「管理地」というような意味合いです。「ザルツブルク」は「ザルツ」の「ブルク」、岩塩の交易で栄えた「塩」の「要塞都市」ですし、ザルツブルク旧市街地の脇を流れるザルツァッハ川(独)は「ザルツ」の「アッハ」、「塩」が移動した「川」です。つまり、「岩塩採掘の領地」を地名「ザルツカンマーグート」としているわけです。ザルツカンマーグートの面積は、採掘範囲が日々変化するため不明ですが、範囲はザルツブルク州・上部オーストリア州・シュタイアーマルク州の3つの州にまたがります。

ザルツカンマーグートには山岳氷河が削った様々なU字谷がうねり、変化に富んだ谷に多くの美しい湖が点在するという素晴らしい景勝地が広がってます。ザルツブルクに行ったときは、是非ともカンマーグートへも足を伸ばしましょう。

関連リンク:
白馬亭/Weisen Roessel(独)
Kaiservilla Badischl(独/英)
Villa Schratt/カタリーナ・シュラット邸(独)
休暇用のアパート

ヨーロッパアルプス

北海道位のサイズのオーストリアは、国土の6割半程度が丘陵/山岳地帯という国です。ヨーロッパアルプスがオーストリアの背骨として横たわり、オーストリアの西に隣接するスイスからウィンタースポーツのメッカとして有名なチロル、映画サウンド・オブ・ミュージックの舞台として知られるザルツカンマーグートを経て、最後はオーストリアの東端に位置する首都のウィーンを取り囲むウィーンの森まで連なります。

ハルシュタット

カンマーグートお勧め観光

サンクト・ギルゲンのモーツアルト像 5~10月、できたら6~9月にどうぞ。冬はスキー&スノボです。

ザルツブルクから日帰り可能な距離に位置するサンクト・ヴォルフガンク/St.Wolfgang(独) は、カンマーグート随一の観光地でしょう。ヴォルフガンク湖/Wolfgangseeのほとりに立つ教会と繋がる町並み、登山列車(英/独) が標高1700mまで登るシャフベルク/Schafbergの登り口としても有名です。教会内部のM・パッハー作の祭壇(独) は必見。オペレッタで有名なホテル白馬亭/Weisses Roesl(独)のすぐ横に湖の遊覧船(英/独) (下記)もあります。

帝政末期の皇帝フランツ・ヨゼフが「シーシィ」を見たその夜のパーティで彼女の手を離さず踊り続け、それから60回も訪れることになる塩泉保養地(独) バッド・イシュル/Bad Ischl(独)もザルツカンマーグートです。

ザルツカンマーグートの奥に位置するハルシュタット/Hallstadt(独/英)は「ハルシュタット鉄器文化」で知られ、オーストリアでも最も古い古代の遺跡として有名ですが、観光で行った場合は歴史のお勉強よりも、ひなびた街並みのの美しさに圧倒されることでしょう。

その他、もっと時間にゆとりがあったらハライン/Hallein(英) 近郊デュルンベルク/Duernbergやハルシュタット(独) 岩塩抗/Salzbergwerk観光はおもしろいでしょう。滑り台にまたがるので、スカートではなくズボンでお出かけください。内部気温は10数度です。

また、クリスマスの歌「きよしこの夜」の礼拝堂はオーバンドルフ/Oberndorfです。

もちろんザルツブルク郊外のヘルブルン/Hellbrunn(英/独) へは忘れずに行くべきでしょう。ただし夏ならばです!

先ずはサンクト・ヴォルフガンクへ

時間にゆとりが無ければ、モーツアルトのお母さん生誕の地サンクト・ギルゲンがザルツブルクから近いでしょう。街並みが美しく、ロープウェイ(独/英) で山の上まで登れます。サンクト・ギルゲンの広場には有名な子供のモーツアルト像もあります。

時間の捻出が可能なら、サンクト・ヴォルフガングはカンマグートで一番有名なところですから、少し早起きしてサンクト・ギルゲンの奥に位置するサンクト・ヴォルフガング観光の日帰りもお勧めです。

サンクト・ヴォルフガング観光で時間のゆとりがあって、天気に恵まれそうなら遊覧船(英/独)でサンクト・ギルゲンとサンクト・ヴォルフガングの移動も良いでしょう。

関連リンク:
サンクト・ギルゲン地図
サンクト・ヴォルフガンク地図

公共移動機関

移動は車が便利ですが、ザルツブルク中央駅/Salzburg Hauptbahnhof 前のバスターミナルから出ているPostbus/郵便バスでも行くことができます:サンクト・ギルゲン/St.Gilgen50分、サンクト・ヴォルフガンク100分、バッド・イシュール100分、ハルシュタットはバッド・イシュールから奥へ40分。バッド・イシュールへは、時間をかければ電車を乗り継いでも行けます。

ザルツブルク駅からの郵便バスは、ザルツブルク ⇒ フシュル ⇒ サンクト・ギルゲン ⇒ シュトローブル ⇒ バードイシュル間がほぼ毎時。サンクト・ウォルフガングへは、直行バスが無いのでシュトローブル/Stroblで乗り換えます。

そのほか鉄道でウィーン西駅(Wien Westbahnhof)からアットナンク・プッフハイム(Attnang-Puchheim)で乗り換え、ハルシュタットまで4時間程度。ハルシュタット鉄道駅は湖の反対岸に位置するため、船で対岸移動

車で移動

ウィーン・ザルツブルク間の車移動で、時間のゆとりが無いときは、高速道路のすぐ横のモントゼー/Mondsee(独/英)の観光がお薦めです。夏ならば窓辺の花がきれいです。教会はサウンドオブミュージック結婚式の教会です。

日本人観光客がめったに行かない方向は、ザルツブルクから高速道路E55を南下し、一般道E651を東へ入り、カンマーグートへ抜けるコースです。スキーで有名な シュラードミンク/Schladming(独) から標高3000mのダッハシュタインを北に望むこの谷には、湖が無い代わりに大きなアルプスの谷が広がってます。適当に気に入った民宿/Zimmerで1泊も良いでしょうし、山あいの湖を求めるなら、145号線を北上しタウプリッツ/tauplitz(独)を通り、バッドイシュールやハルシュタットのカンマグートへもすぐです。

ウィーンから車で移動なら、高速道路A1号線をレガウ/Regauで降り、グムンデン/Gmundenへ下ったり、レガウ/Regauの先のモントゼー/Montsee(上記)からカンマーグートを南下しサンクト・ギルゲン方向へ移動します。

日数にゆとりがあるなら、ウィーンから高速道路A1号線を西へ移動、リンツ/Linzの手前で高速を出て、サンクト・フローリアン/St.Florian、シュタイアー/Steyerを見て、クレムスミュンスター/Kremsmuenster、から高速道路E57を南下、セルツタール/Selzthalで高速道路を出て、シュタインアッハ/Stainachの次で145号線を北上すればカンマーグートです。

その他

出かける前に映画サウンド・オブ・ミュージックを観るのをお忘れなく!

ザルツカンマーグートには多くの「宿/Zimmer」があり、料金が安く清潔で快適な滞在ができます。フシュル湖畔にたたずむ古城ホテル・フシュル(独)は5つ星の有名ホテル、ハネムーン/フルムーンには良いでしょう。キャンプ派にはそれぞれの湖畔に設備の整ったキャンプ場がたくさんあります。

カンマーグートにもしも滞在するなら、少し歩いて湖の水に手を入れたり、牧草地を歩き散歩道のベンチに座りアルプスの景色を見渡せば、ザルツカンマーグートの一番の魅力に触れることができるでしょう。

シトシトと雨が降ります。その恵みで緑がより一層美しさを増し、エメラルドグリーンの湖は深く水を蓄えます。傘をお持ちください。猛暑の夏でも突然気温が下がることがあります。羽織るものをお忘れなく。水温低く水泳には適しません。ニジマス [Forelle] はミューラリン [Muellerin] がバターソテーで日本人には食べやすいでしょう。バッドイシュールの宮廷御用達のお菓子屋さんツァウナー(英/独)は有名、いつも満員。「蚊取り線香」模様で有名なグムンデン陶器(英/独)トラウン湖畔(独/英)グムンデン(独)。シャフベルク登山電車、その他のロープウェイ等は運行季節と最終時間にご注意ください。

高崎守弘